SANABIが面白かった #indie_game

10年の昔はポケモンに数百時間を費やすゲーム少年だった俺もすっかり大量の娯楽の前に積みゲーの小山を築くようになってしまった。

なった、のだが、そんな俺をも強制的に引きずりこみ夜中の3時にクリアするまで数時間単位で遊ばせる神ゲーがある。SANABIである。

翻訳が改善されました【重要】【真剣】

SANABIはまえまえから神ゲーといわれていたんだが 中盤以降の翻訳が機械翻訳でアレ という深刻な、このゲームのよさのうちストーリーの重さからすれば本当に深刻な問題が かつてはあっただが今は違う!SANABIの翻訳は有志の協力のもと24年2月だかのパッチで完全に改善されたのだ。「翻訳がアレ」といったレビューやプレイ動画は もはや嘘っぱちである

おれも中盤の翻訳怪しいエリアで止めてたのだが、パーフェクトSANABIの誕生を喜びしばらくしてから遊び始めたら一気にクリアしてしまった。

一言で説明すると

一言で説明すれば、チェーンフックでターザンしたり敵をしばいたりするスタイリッシュアクション横スクロールゲーで、全然歯ごたえあるけど繰り返しやれば上達して突破できる丁寧なバランス、サイバーパンクから桃源郷まで緻密かつめちゃくちゃぬるぬるでかわいいもかっこいいも表現し尽くしたドット絵、クールな音楽、そしてこれらをふんだんに活用した演出で描かれる とんでもなくいい ストーリーが魅力のゲームだ。

さて……

SANABI(サンナビ/サナビ, ko: 산나비)は韓国のインディーゲー厶だ。SANABIというラテン文字表記と韓国語の発音規則からしてサンナビというよりサナビのほうが正しそうだが作中で出てくるワードとしてはサンナビと訳されているのでサンナビが正しい可能性もある。メイン開発メンバーは5人ぐらいらしい。

ビジュアル

Steamストアページで目を引くのはそのサイバーパンクなビジュアルだろう。おれはサイバーパンク大好きと言ってるわりにブレードランナー見てなければサイバーパンク2077もやってなくほぼニンジャスレイヤーとエッジランナーズ知識しかないというエアプなのだが、ドット絵で描かれた漢字とハングルとラテン文字のネオンサイン、特に視界がそれで埋め尽くされるカットはまさにサイバーパンクそのもの。

全体的にドット絵のクオリティがすさまじく、おれがこのゲーム知ったのも個人的に信頼しているあるオタクがドット絵かわいすぎってツイートしてるのを見かけたからなぐらい良い1。ほとんどのストーリーはドット絵のまま進むが、二頭身でドット数少ないのに動きが丁寧なのでやってることがめちゃくちゃ伝わってくる。そしてそれはアクションゲーとしての動かしたときの気持ちよさにもつながるのだ。

あまりに細かい好きなポイントを上げると、チェーンフックを発射するときに出る火花の光が主人公や周囲のオブジェクトを照らすようになっている。とにかくライティングが上手くてネオンサインのステージとか室内のシーンとかあそこのあのへんとかではそれが顕著。

だいぶ良い。ブレードランナーインスパイア (らしい) シンセを絡めたEDMって感じ。語らないが、一周するとサントラを買いたくなると思う。買った。とくに好きな曲は「Writ Of Execution」「Mari’s Theme」「JUSTICE Is Watching You」かな~

ブルーアーカイブといい韓国ゲーはバカええEDMがついてるという印象がつきつつある。

ストーリー

ストーリー……はネタバレを配慮して言わない。本当に良いことは保証する。主人公は退役軍人で、娘の仇である「サンナビ」なる存在への復讐のために軍に戻ってくる。軍といえばご存知の通り韓国は徴兵制のある国なので各種の軍描写もすごくいい感じの雰囲気をまとっている。サンナビを追って主人公が突入するのは超巨大コングロマリットが保有する都市マゴ(ko:마고)特別市。同時にマゴ市では全住民が忽然と消えてしまうという不可思議な現象が起き、ひとり残されたマリという少女を救出するのも主人公の任務だ。マゴ市の全住民はなぜ、どこに消えてしまったのか、主人公についてくるマリの目的とは、そして謎に包まれたサンナビとははたして何なのか……。

ストーリー上の演出もすっげえよいんですよね。まあネタバレなんで言いませんが……床とか……。どんなゲー厶もそうですが、プレイして実際に演出とともに楽しむのがストーリーなんで、ファンとしてはネタバレ踏んだとしても遊んでほしい。ツイッター検索ファンアートネタバレ事案には注意しような。

ゲーム性

アクションとしてはチェーンフックというなんか伸びる腕を天井や壁に引っ掛けてターザンめいた動きをするのが基本で、進行によってアクションがいろいろ増えていく。

フックのエイムはマウス(おれはトラックボール)のほうがもちろんやりやすいが、コントローラーだとエイム中はスローになるのでバランスはとられている。

全体的に難易度は簡単ってほどではなくイージーでもそこそこの歯ごたえはあると思うが、チェックポイントはかなり細かく置かれているのでやり直しでストレスが発生するところはほとんどない。繰り返しやれば慣れてなんとかなる。

収集要素とかは一切ない。収集要素で明かされる世界観みたいなものはなく、必要な布石は本筋で全部回収される。これはマジでストーリーに自信があるやつにしかできないことだ。おまえはストーリーと目の前のギミックに集中しろ。というか後半に入るとストーリーがおもろすぎて早く先に行きたいという気持ちになるので収集要素ないのマジで正解すぎる。

まあなんか変な難しさみたいなのはあって、たとえば雑魚敵の弾丸が早くて雑魚のくせに地形貫通が多いので避けるのはわりと難しいのとか。周囲の敵から飛んでくる弾を避けるためにフックで敵を始末していける位置にうまく移動する必要があったり、場所によっては無敵ないし無限湧きの敵をうまいこといなしながらギミックを管理しつつ進むために倒す必要がある敵をしばきつつ移動みたいなマルチタスクが要求される。あとは追跡系の敵に追っかけ回されるステージが3つぐらいあってそういうのが苦手な人は嫌かも。おれはそういうの苦手ですがストーリーが良すぎて頑張ってクリアしたけども。

ちなみに最序盤に出てくるボスのカンソンは普通に強い。チェーン巻き取りができるようになる前はぶら下がった状態でのY軸移動が困難なのでその状態で撃たれた弾を避けるのは普通に困難。人類に振り子は早い。

アクションとして、被ダメ時にジャンプで任意の方向に空中ダッシュできるというのがある(名前忘れた)。そこそこ無敵があるのでゴリ押しにたいへん便利。敵をクローで掴むときはエイムアシストが強く効きまた敵の位置まで高速かつ無敵である程度地形をすり抜けて移動するためこれでもある程度ゴリ押し可能。

難易度イージーではほうっておくと体力が全快する。おれはアクションがうまくないのでボス戦はどいつもこいつもこれがなかったらクリアできてた感じがしない。

まあ難しさポイントはあるが、雑魚敵をしばきながら高速移動するのは本当に楽しいのでやってほしい。

総評

やりごたえあり爽快なゲーム性、200点のストーリー、それらを支えるビジュアルやBGMを絡めた演出が揃った文句なしのゲームです。遊んでください

Footnotes

  1. それはそれとして最近かわいい女の子が出るゲームしかできなくなりつつある。老いすぎ